2016.8.13発行「いい子はそこでじっとしている」WEB再録
当時イベント限定突発本でしたので完売後全ページ公開の約束をしておりました。
2017.8.11に再販しておりますが、約束どおり先にWEB公開させていただきます。
初版をご購入くださった方、まことにありがとうございました!
お気に召しましたら、再販した本もよろしくお願いします。

いい子はそこでじっとしている/Dアニメ・同人誌WEB再録(24p) -2017.08.02up-

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あとがきを読む  コメントする(7)

お疲れ様でした!
私のニクジュディ観は兄妹9割の一握りのラブというのが理想で、
でもあまりそれは伝わりにくくて自分がおかしいのかなという気持ちと、
10割ラブになれたらそれはそれで楽しいだろうなという期待の元挑戦してみた作品です。
沢山の葛藤がありましたが、挑戦してみてよかったなと思います。





以下はただの自分の中だけの問題で、読む人には全く関係のない話です。
人によっては気分を害するかもしれないので愚痴を聞きたくない方は読まない方がいいです。

本のあとがきで泣きごとを言ってるんですが今も何も変わらず
自分としてはこのお話は見返すのもつらいです。
描いてるとき感じたことのないレベルの羞恥心が湧いてきてずっと泣きながら描きました。
それは少女漫画的なものを描くトキメキに対するポジティブな恥ずかしさや、
漫画の拙さを恥じる正当なネガティブな羞恥ではまったくなく、
走り始めてようやく「あぁこの道は完全に間違った」とバカみたいに自覚した何かでした。
語彙力がなくて言葉ではとらえられないんですが、
とにかく何か自分の大事にしているものの真逆を突き進んでいる感じがして、
これはよくないと思いました。
ただ、漫画というのは自分にとって「最後まで描く」ことが最優先で最重要なので、
つらいつらいと泣きながら走り抜ければそれでも何か得られるだろうと思って
最後まで鉛筆だけど頑張りました。

結局得られたものは
「明らかに自分が”違う”と思った道を歩んでも、
前に進んでいるように見えて何もない底にたどり着くだけだ」ということだけでした。
迷路で「こっちは違う気がする…」と思いながら進んだらやっぱり行き止まりだった、
という至極当然の結論を得られました。

自分の好きな二匹はこんなことを口にしない、こんな表情はしない、
そんな真逆の塊を自分で描いてしまったことが、
自分が許せなくて今も泣きそうになります。情けないです。

このままじゃいけないと思い、リベンジの意味で次の
「イージー・チープ・アイスクリーム」と「タルトレット・タイム」を作りました。
少しわかりにくいと思いますが、特に「アイス」は「いい子」の違うバージョン、
「いい子」を元に描き直した本です。
無事アイスで(勝敗はともかく)葛藤ときちんと戦えて、その闘志が芽生える理由にもなった、
その意味でも「いい子」挑戦してよかったなと思います。

よっぽど発行自体辞めようかと思った作品ですが、友達に強く励まされたこと、
「それはあなただけの独りよがりなこだわりであって、読む方には全く関係ない」
とアドバイスを受けたことから発行して、
そのあと複数の人にこの漫画を気に入っていただけたこと、上記の私の愚痴を聞いた上で
「それでも私はこの漫画すきだよ、出してくれてありがとう」と言われ、
やはり一度発行して世に公開した以上は私の手からは離れて読む人のものになるんであって、
その後は自分の愚痴とは関係なく完売まで「私が描きました」という責任を持つこと、
発行当時の完売後WEB公開をするという約束は守ってきちんとするべきだと思いました。

そして、2017年夏にありがたくも再販ご希望の声にも応えることに決めました。
今後の漫画づくりに今まで以上に真面目に向き合うきっかけという意味でこの漫画は大事ですし、
この作品は自分の戒めとして、これからも胸にひかかったまま持っていこうと思っています。

以上の私の気持ちとは関係なく、
この作品を楽しんでいただけたら本当にありがたいですし私も救われます。
当時励ましてくれた友人、初版を読んでくれた方、
たくさんのご感想や気持ちを聞かせてくださった方々へ心からお礼申し上げます。

そして、いまWEBでこの漫画とこの文章を最後まで読んでくださったあなたにも感謝申し上げます。
傷だらけの作品ですが、楽しんでもらえたら幸いです。


[2017.08.02up]

コメント:7件

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なっ -2017.08.05 06:55
私はこの作品がとても好きです。書いてくれてありがとうございました!
すがり -2017.08.06 00:38
こんなふたりもアリだと思います。すてきな作品を生んでくださって、ありがとうございました。
でも作り手が本当につらいなら、二次創作は個人の趣味の世界ですし、無理することないのでは、とも思います…。
はりー -2017.08.19 05:06
①私はただの消費するだけの人間なので、あとがきを読んでそんなに辛い思いをして生み出していた作品なのだと驚きました。ねねさんは公式のキャラクターの人となりや関係性をとても大切に作品作りをしているのだと改めて感じる事ができました。だからこそ今回の葛藤にも繋がったのだと思いますが、今回の落とし所であったねねさんの「公開をしたら見る人のもの」は、きっとズートピアを作った方々もそう思っているのではないかと思います。きっとズートピアを作った方々も自分達の作った作品をこんなに愛してもらえて、続きを考えてもらえて嬉しいと思います。そして自分たちの手を離れて、「見る人」が好きに解釈をして、好きに考えることも嬉しいことの一つではないでしょうか。

→次のコメントへ続く
はりー -2017.08.19 05:07
②そして私のような読者がねねさんの二次創作作品を見る事でさらに本家のズートピアへの愛は深まりましたし、私はねねさんの作品が大好きで、読んでいる時とても幸せでした。
作っている時は私に想像がつかない程苦しかったと思うし、再販により自分の目に触れ続けるのも傷口が痛んで辛いかもしれませんが、ねねさんの作品によって私や、その他にたくさんの人が幸せを感じていることを忘れないで下さい。そしてねねさんの言う通り作品作りのうえで「必要」な作品だったのだと思います。今回はこの作品を制作、公開をしてくださって本当にありがとうございました。いろいろ偉そうにすみませんでした。長文・駄文失礼しました。
ねね(管理人) -2017.10.31 18:51
>なっさん、すがりさん、はりーさん
コメントをありがとうございます、上手い言葉が思いつかなくて長らくお返事できませんでしたがありがたく読ませて励みにしております。
せっかく描いたものですし、読んでいただいただけでとても報われています。さらにあとがきを受けてウーンと考えてもらえた・コメントを書きこんでもらえたその時間が贅沢でありがたいことだと思います。
私自身もこの作品をのけものにはせず、ほかのまんがと同じように大切に持っていく所存です、ありがとうございます。
sim -2020.06.25 10:47
pixivから来ました。
わたしは、ねねさんのニクジュディ大好きですし、この話もコンプレックスと葛藤みたいなところも描かれていて好きです。なので、あとがきを読んで実はそんな苦しみがあったのか!とビックリしました。
この作品を読んで、わたしはちょっと感動して泣いたので、私の中の何かはこのお話で救われたのだと思います。なので、最後まで描ききってくださってありがとうございました。
ねね(管理人) -2020.06.29 17:32
>simさん
コメントありがとうございます!好きと仰ってくださり嬉しいです~。
だいぶ苦しんだ漫画ですが今は時間も経ちだいぶ癒えてきたというか「いうほど悪くないじゃん」って許せるようにもなってきました。
今思うと、話の中の苦しさや悩んでる様子はちょうど自分との葛藤と沿っていて作品のカラーとしては統一されて良い結果になったのかもしれませんね。
ニクジュディの苦しさも簡単に取り除くことはできないけどふたりで居ればきっと大丈夫!って希望はこれも他の作品も同じように込めています。
あとがきまで読んでくださりありがとうございました…!